Japanese
English
臨床
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を合併した大腿骨近位部骨折に対する手術とリハビリテーションのタイミング
Timing of surgery and rehabilitation for hip fractures with COVID-19
森永 伊昭
1
,
白戸 香奈子
2
,
大髙 華菜子
2
,
安田 肇
2
,
宮本 誠一
2
Yoshiaki MORINAGA
1
,
Kanako SHIROTO
2
1津軽保健生活協同組合健生病院,整形外科
2同上,リハビリテーション科
キーワード:
Hip fractures
,
COVID-19
,
Timing of surgery and rehabilitation
Keyword:
Hip fractures
,
COVID-19
,
Timing of surgery and rehabilitation
pp.1253-1258
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002717
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要旨:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を合併した大腿骨近位部骨折(骨折)では死亡リスク上昇,隔離時のリハビリテーション(訓練)欠如に起因する健康生活の質低下の可能性が報告されているが,適切な手術・訓練開始時期や転帰は明らかではない。われわれは2022年にCOVID-19合併骨折5例(COVID-19の診断から手術まで0~1日の早期手術・早期訓練開始例3例と10~23日の遅延手術例2例)を経験した。早期手術例は術翌日からレッドゾーンでの訓練を受け,遅延手術例は隔離中訓練を受けなかった。全例が回復期リハビリテーション病棟での訓練後に歩行を再獲得した。早期手術例の総入院日数・回復期入院日数は平均55.3日・42日,遅延手術例では平均79.5日・59.5日だった。COVID-19合併骨折では早期手術の侵襲による重症化の懸念がある一方,手術と訓練開始の遅延は回復に不利となる可能性がある。十分な周術期管理・感染管理が可能なら,全身状態が比較的良好な例に対する早期手術と早期訓練開始を推奨する。
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