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特集 児童虐待における整形外科医の役割
境界領域の鑑別
-―麻痺性疾患・療育児―
Border area;paralytic disease and children with SMID(severe motor and intellectual disabilities)
中田 いづみ
1
,
伊藤 順一
1
Izumi NAKADA
1
1心身障害児総合医療療育センター,整形外科
キーワード:
Insufficiency fracture
,
Severe motor and intellectual disabilities(SMID)
,
Child abuse
Keyword:
Insufficiency fracture
,
Severe motor and intellectual disabilities(SMID)
,
Child abuse
pp.175-180
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002873
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要旨:麻痺性疾患の多くは肢体不自由児であり療育を必要とする。特に,重度心身障害児は脳の障害範囲が広く痙攣や痙縮などを発症し,これらに起因した廃用や抗痙攣薬の内服などで骨粗鬆症となる。骨折は日常生活動作などの軽微な外傷で生じやすい骨脆弱性骨折となる。また,関節拘縮もあり関節近傍に骨折を生じやすい。骨折による疼痛または疼痛部位の訴えが困難なため,傷害部位を医療者が後日特定できることもあれば特定できないこともある。一方で,重度心身障害児は育てにくさから家族による養育困難や虐待の要因となりうる。背景には経済的困窮,地域・周囲との関係性の希薄さが多い。施設入所を契機に施設が支援介入の窓口となることが多い。昨今,入所施設内の職員による虐待の報告もある。虐待再発予防策として当センターではペアレント・トレーニングを行っている。児への虐待に対し当事者意識をもち,児への適切な対応を獲得し児との良好な関係を築くことを目標とする。
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