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特集 児童虐待における整形外科医の役割
境界領域の鑑別
-―骨系統疾患・骨代謝性疾患―
Differentiation of borderline areas;skeletal dysplasia, metabolic disease
中川 敬介
1
Keisuke NAKAGAWA
1
1大阪市立総合医療センター,小児整形外科
キーワード:
Osteogenesis imperfecta
,
Skeletal dysplasia
,
Osteoporosis
Keyword:
Osteogenesis imperfecta
,
Skeletal dysplasia
,
Osteoporosis
pp.167-173
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002872
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要旨:乳幼児の外傷患児の診察では,常に児童虐待が隠れていないか想起する必要がある。しかし,軽微な外傷で骨折を生じ,当初児童虐待が疑われた児の中に,最終的に骨脆弱性・易骨折性を呈する疾患の診断に至る患児が紛れている。これらの疾患と児童虐待との鑑別は,非常に難渋することがある。骨脆弱性・易骨折性をきたす疾患としては,骨系統疾患(骨形成不全症[OI]を含む),小児期の骨粗鬆症,くる病,線維性骨異形成,腫瘍性疾患などが挙げられる。特にOIとの鑑別には注意を要する。鑑別には,詳しい問診,丁寧な診察,適切な検査,親の態度なども含めた総合的な判断が必要となる。なかには診断がつく前に一時保護となってしまうこともあるであろう。しかし,保護するかどうかは,児童相談所が決定することである。われわれが行うべきことは,虐待が鑑別に挙がれば,まず通告することと,適切な診察,検査を行い,鑑別診断を考え,治療にあたることである。
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