一側大腿骨頚部骨折術後に両踵骨脆弱性骨折を生じた1例

Bilateral calcaneal insufficiency fractures after unilateral bipolar hip arthroplasty；a case report

要旨：大腿骨頚部骨折術後，両側踵骨に脆弱性骨折を生じた1例を経験した。症例は60歳女性で著明なるいそうを呈していた。右大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭挿入術後6週で右踵骨脆弱骨折を認め，骨接合術を施行した。その術後8週に対側の踵骨にも同様の骨折を生じた。左側の治療には難渋し，再手術を要した。近年，脆弱性骨折は増加傾向にあり，診断とともにその骨質を考慮し適切な術式を選択することが重要であると思われた。