Japanese
English
研究と報告
母親のうつ病治療中に明らかになった児童虐待の外来治療例
A Case of Child Abuse Recognized during the Treatment of Depression of His Mother
水越 三佳
1
,
可知 佳世子
1
,
星野 良一
1
,
大橋 裕
1
,
伊豫 雅臣
1
,
森 則夫
1
Mika MIZUKOSHI
1
,
KayakO KACHI
1
,
Ryoichi HOSHINO
1
,
Yutaka OHASHI
1
,
Masaomi IYO
1
,
Norio MORI
1
1浜松医科大学精神神経医学教室
1Department of Psychiatry and Neurology, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
Battered child syndrome
,
Depression
,
Child abuse
,
Emotional deprivation
Keyword:
Battered child syndrome
,
Depression
,
Child abuse
,
Emotional deprivation
pp.487-493
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904766
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【抄録】 母親のうつ病治療中に幼児虐待が明らかになり,母子に並行して治療を行った外来症例を報告する。母親は愛されて育った認識が希薄なうえに,自分の母親から虐待された経験を持っていた。また,結婚前よりうつ病に罹患し,自然軽快,増悪を繰り返していた。結婚,出産の後に,育児の負荷も加わり,重度の抑うつ状態を呈し精神科を受診した。母親の治療経過中に子どもへの虐待に気づかれた。子どもには未熟児,頭蓋内出血といった周産期の障害に加え,下垂体性小人症があった。子どもは母親との愛情遮断のため,多動や集団不適応を示していた。地域ネットワークの協力を得ながら,母親と子どもへの治療を行い,虐待は消失した。本論文では,うっ病が虐待の要因となりうることを指摘し,また,このような症例に対する我々の治療経験を述べる。
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