思春期特発性側弯症に対するLenke分類

The Lenke Classification of Adolescent Idiopathic Scoliosis

はじめに

　思春期特発性側弯症（adolescent idiopathic scoliosis：AIS）は思春期（10〜18歳）に発症する側弯症で，多くの原因がある脊柱側弯症の中で最も頻度が高い．AISの治療は，経過観察，装具治療，手術に大別され，手術はCobb角が40〜50度を超えた場合に考慮される．AISに対して手術（矯正固定術）を検討する際，固定範囲の決定は最大の懸案事項であり，術者はLenke分類を用いて症例を分類し，固定するカーブを決定する．さらに，Lenke分類を用いて分類することは，さまざまなカーブタイプのある側弯症において，

　①系統的かつ高い再現性でカーブを整理する

　②治療する医師の間で側弯症に対する共通の言語をもつ

　③治療成績をさまざまな治療法の間で評価する

などの意味がある．本稿では，このLenke分類について概説する．