思春期特発性側弯症の手術法 -—アウトリガー法を用いた胸椎後弯形成—

Surgical strategy of adolescent idiopathic scoliosis patients with outrigger system for thoracic kyphosis

要旨：これまで思春期特発性側弯症の手術法は，Harrington法，Luque法，Cotrel-Dubousset法などが行われてきたが，Sukら^4）が近年報告したsegmental pedicle screw（SPS）法が一般的となっている。Rod材質もCoCr，6mm径を超える太さに進歩し，screwもuni-planar screwや矯正専用のscrewも登場している。また矯正方法も従来のrod rotation（RR）テクニックに加え，differential rod contouring（DRC），direct vertebral rotation（DVR）などほかにも多くの矯正テクニックが登場した。一方でSPS法は，冠状面での側弯矯正力は増したが，依然として頂椎部の胸椎後弯形成不足や椎体回旋遺残があり，矢状面バランスが重要である。そのためわれわれは，アウトリガー法を用いてこれらの問題を解決するテクニックを考案した。アウトリガー法は，RRの際にアウトリガーを装着し，rodの負けを抑制し，SPS法より後弯形成を改善した。本方法は従来どおりの椎体回旋改善効果，過度な脊柱伸長を抑制でき，有用と思われる。