Japanese
English
論究
大腿骨近位部骨折患者の口腔内衛生状態と口腔ケアの効果
Oral environment and efficacy of professional perioperative oral care in patients with hip fracture
深澤 高広
1
,
植木 正明
2
,
宮井 大介
3
,
谷垣 信吾
3
,
佐藤 啓三
1
Takahiro FUKAZAWA
1
,
Masaaki UEKI
2
,
Daisuke MIYAI
3
1西脇市立西脇病院,整形外科
2同上,麻酔科
3同上,歯科口腔外科
キーワード:
Hip fracture
,
Oral care
,
Oral environment
Keyword:
Hip fracture
,
Oral care
,
Oral environment
pp.425-429
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002519
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要旨:大腿骨近位部骨折の術後肺炎などの呼吸器合併症は循環器合併症と並ぶ術後早期死亡のリスク因子である。周術期肺炎予防のために各国ガイドラインでは早期手術が推奨されているが,当院でも受傷後48時間以内の早期手術を目標とし,さらに2017年8月より歯科口腔外科医と協力して術前から口腔衛生状態の確認および口腔ケアを開始した。周術期肺炎は口腔ケア群では0.5%と少なかったが,従来群(非口腔ケア群:2.6%)と有意差は認めなかった。周術期死亡も同様に有意差は認めなかった。口腔衛生状態がよく管理されていると評価されたのは41.6%であった。術前合併症で有意差を認めたのは認知症の有無で,認知症患者で口腔内がよく管理されていたのは39%であったが,口腔ケアを行うことにより術後肺炎発症は認められず,特に認知症など普段から口腔内洗浄が難しい患者には口腔ケアは有効であった。
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