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特集 整形外傷治療 update 2021
大腿骨近位部骨折の早期治療のエビデンス
Evidence for early surgical intervention on hip fractures
乾 貴博
1
Takahiro INUI
1
1帝京大学医学部附属病院,外傷センター
キーワード:
Surgical timing
,
Surgical delay
,
Hip fracture
Keyword:
Surgical timing
,
Surgical delay
,
Hip fracture
pp.1269-1274
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001875
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要旨:大腿骨近位部骨折は発生数が多く,機能予後のみならず生命予後に直結する整形外科医にとって重要な骨折である。したがって,この骨折をいつ手術するべきかは,整形外科医にとって必須の知識である。欧米のガイドラインでは,受傷から48時間以内に手術することが推奨されている。早期に手術することで,患者の痛みを取り除き,早くから体を動かすことができる。そのことが,周術期合併症を減らし生命予後を改善すると考えられているからである。その達成を阻害する因子として,週末入院・手術室の手配・インプラントの準備・内科的併存症の術前コントロールといったことが挙げられる。平均手術待機日数が4日以上と,早期手術が達成できていないのが日本の現状である。しかしながら,弾力的な手術室運用方法や多職種連携アプローチをとることで待機期間短縮を達成している施設が現れている。今後の全国的な環境整備が望まれる。
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