成人期扁平足Ⅳ期（PCFD class E）再建手術における低位脛骨内反骨切り術の併用

Supramalleolar osteotomy in conjunction with flatfoot reconstruction for stage Ⅳ adult-acquired flatfoot deformity（PCFD class E）

要旨：成人期扁平足のⅣ期（PCFD class E）は従来，脛距踵骨固定術が行われてきたが，患者の満足度は低い。この病態では特に後足部のアライメント不良が顕著であり，下肢の荷重線は足関節の外方に存在し，さらに距骨外反による関節症性変化を伴っている。このため筆者は従来の扁平足再建手術に加え，低位脛骨骨切り術を同時に行ってきた。治療成績はおおむね良好であるが，成績不良例も存在する。この手技において目指すべき脛骨の矯正角度（正面天蓋角）はいまのところ不明であり，今後より多くの症例を集積する必要がある。また，この手術によって下肢機能軸が膝関節を通る位置も変化するため，膝関節への影響も長期的にみていく必要がある。