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再生医療と自由診療
佐藤 正人
1,2,3
Masato SATO
1,2,3
1東海大学医学部医学科,外科学系整形外科学
2東海大学大学院医学研究科,運動器先端医療研究センター
3同上,再生医学センター
pp.343-343
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002502
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整形外科領域で最近急激に増加しているのが,自由診療で行う変形性膝関節症への細胞療法等である。保険診療を一切行わず自由診療に特化したクリニックもあるという。そのほとんどが再生医療を声高に謳っているので,最近では,再生医療は自由診療でしか実施できないと思い込んでいる患者さんも多い。たしかに再生医療等安全性確保法(安確法)の下で行われる多血小板血漿(PRP)療法や自家培養脂肪細胞の関節内注射は自由診療で行われている。PRPを作製するための分離機器は,医療機器扱いで日本では10種類以上が販売されている。同じ血液から作製しても,分離機器が異なると似て非なるPRPが作製される。PRPの有効性を論じる科学論文も多く発表されているが,どのような分離機器が使われたのかも,スタディデザインと共に注意を払うべきである。
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