成人期扁平足（PCFD）の保存療法

Non-operative treatment of progressive collapsing foot deformity（PCFD）

要旨：保存療法は，成人期扁平足（PCFD）におけるfirst-line treatmentである。主に行われるのは運動療法と装具療法であり，大多数のPCFDは保存療法で対処可能とされている。可撓性のある扁平足が良い適応だが，可撓性のない場合でも行う価値がある。運動療法は後脛骨筋を中心とした足関節周囲筋の筋力訓練やストレッチングを行う。装具療法は足底挿板（インソール）から短下肢装具まで様々なものが用いられる。装具療法よりも運動療法，もしくは両者を併用する方が高い効果を得られる可能性がある。日常診療では装具療法と運動療法の組み合わせを基本としつつ，薬物療法，靴や生活指導，減量などを含め患者のニーズに合わせて対応する必要がある。