Japanese
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特集 足関節周囲外傷の治療
ピロン骨折における軟部組織合併症を回避するためのコツ
Tips for avoiding soft tissue complications in pilon fracture
野坂 光司
1
,
土江 博幸
1
,
湯浅 悠介
2
,
三田 基樹
3
,
原田 俊太郎
1
,
宮腰 尚久
1
Koji NOZAKA
1
,
Yusuke YUASA
2
,
Motoki MITA
3
1秋田大学大学院医学系研究科,整形外科学講座
2中通総合病院,整形外科
3由利組合総合病院,整形外科
キーワード:
Pilon fracture
,
Soft tissue complications
,
Ring external fixation
Keyword:
Pilon fracture
,
Soft tissue complications
,
Ring external fixation
pp.1023-1029
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002222
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要旨:ピロン骨折は,足関節周囲の軟部組織が菲薄であることから,軟部組織関連の合併症が多い。特に高齢者では,老人性皮膚萎縮があり,真皮の伸展性に乏しく,bulkyな内固定材料では,外傷に伴う腫脹が皮膚組織の二次的障害をきたしやすい。リング型創外固定は径1.8mmのワイヤーを使用し,軟部に大きな侵襲を加えることなく,経皮的に整復操作,固定操作が可能である。特に軟部組織損傷を伴う高齢者には開放骨折でなくとも,積極的にリング型創外固定器を使用することにより,1つは脆弱な皮膚に対して無理な内固定を避けることができ,軟部組織関連合併症を起こしにくくなること,もう1つは早期荷重による早期離床,早期自立と早期退院という2つのメリットが生まれる。ピロン骨折治療において,リング型創外固定は1つの有力な選択肢となる。
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