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特集 骨折治療の現在地を知る!
Ⅴ.高齢者・脆弱性骨折
高齢者足関節周囲骨折に対するMATILDA法の適応と手術手技
Indications and surgical techniques of the MATILDA procedure around the ankle fractures in elderly patients
野坂 光司
1
,
白幡 毅士
1
,
原田 俊太郎
1
,
河原木 剛
1
,
富永 健太
1
,
宮腰 尚久
1
Koji NOZAKA
1
1秋田大学大学院医学系研究科医学専攻機能展開医学系,整形外科学講座
キーワード:
Ring external fixator
,
Immediately weight bearing
,
Elderly patients
Keyword:
Ring external fixator
,
Immediately weight bearing
,
Elderly patients
pp.673-679
発行日 2024年4月30日
Published Date 2024/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002980
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超高齢社会が到来し,活動性の高い高齢者が増える一方,骨・軟部組織・全身状態ともに虚弱な併存症の多い高齢者も増加しており,高齢者脆弱性骨折の治療は骨癒合不全や皮膚障害などトラブルが多い。特に,高齢者の足関節は老人性皮膚萎縮のため,真皮の伸展性に乏しく,皮下組織が薄いため,足関節周囲骨折において,プレートなど内固定器具を留置すると,皮膚組織の二次的な障害をきたしやすい。また,加齢に伴う骨脆弱性や運動機能の低下により,松葉杖歩行ができず部分荷重が困難なため,術後の荷重開始が遅れ,入院期間が長引く傾向にある。大腿骨近位部骨折の早期手術,早期リハビリテーションが注目されるなかで,高齢者足関節周囲骨折の長期免荷による廃用症候群の予防は非常に難しい問題となっている。高齢者足関節周囲骨折に対するリング型外固定器を用いた整復固定は,脆弱な軟部組織に対して低侵襲であり,その強固な固定力から,骨強度が著しく低下した脆弱性骨折であっても早期荷重が可能という特徴がある。
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