Japanese
English
特集 脊柱変形矯正の進歩
重症心身障碍児の側弯症に対する手術治療
Scoliosis surgery for children with severe neuromuscular disease
中村 直行
1
Naoyuki NAKAMURA
1
1神奈川県立こども医療センター,整形外科
キーワード:
Neuromuscular scoliosis
,
Cerebral palsy
,
Muscular dystrophy
Keyword:
Neuromuscular scoliosis
,
Cerebral palsy
,
Muscular dystrophy
pp.143-151
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002029
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要旨:重症心身障碍児における脊柱変形は,ほぼ神経筋性側弯症(NMS)に該当すると思われるが,それらは終生進行性であり,インプラントを利用した脊椎固定術以外にその進行に対応する方法はない。脊椎固定術は患児の運動面ではマイナス要素であるが,将来的に脊柱変形が高度進行しても結果的に運動障害は起こってしまう。しかも,その頃は呼吸器や消化器の機能障害も合併している。重症心身障碍児に対する側弯症手術は,高度側弯,長範囲固定,大量出血となり,術中も大変だが,術後管理にも心労が尽きない。全身管理を必要とするため,他科,多職種の協力が得られる環境が必須である。NMS手術は小児期に利益が大きく,脊柱変形の改善と進行防止に加え,患児の座位バランスや健康関連QOL(HRQOL)の改善,介護者の高い治療満足度が得られる。他の治療では制御困難な重症心身障碍児の進行性脊柱変形に対して,全身管理の必要性や高い合併症率を理解した上で,インプラントを利用した脊椎固定術が考慮されるべきである。
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