Japanese
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研究
頚肩腕症候群に対するトリガーポイント注射と併用した温州ミカン果皮由来ヘスペリジンの効果
Efficacy of hesperidin derived from peel of citrus unshu on neck muscles combined with trigger point injections for cervico-omo-brachial syndrome
戸田 佳孝
1
Yoshitaka TODA
1
1戸田整形外科リウマチ科クリニック
キーワード:
Cervico-omo-brachial syndrome
,
Diet
,
Hesperidin
Keyword:
Cervico-omo-brachial syndrome
,
Diet
,
Hesperidin
pp.1601-1605
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001954
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要旨:ミカン果皮粉末(柑皮)には交感神経の活動を抑制し,血流量を増加させるヘスペリジンが含まれているが,ヘスペリジンは水に難溶性である。そこで柑皮をこうじ甘酒に発酵溶解させ頚肩腕症候群(頚腕症)患者に摂取させ,その効果を検証した。僧帽筋へのトリガーポイント注射を共通療法として34例の頚腕症患者を無作為にこうじ甘酒のみを摂取する対照群(17例)と柑皮入りこうじ甘酒を摂取する柑皮摂取群(17例)に分け,8週間後の治療成績を比較した。その結果,柑皮摂取群は対照群に比し生活困難度指数(p=0.02)と僧帽筋の筋硬度(p=0.025)の改善率が有意に優れていた。筆者は外来診療で疾患に効果的な食品について質問する患者や投薬を極端に嫌う患者をしばしば経験する。今後さらなる研究によって,薬剤ではなく食品で効率的にヘスペリジンを摂取できるようになれば,頚腕症の保存療法に有用であると考える。
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