頚肩腕症候群に対する前方・後方ストレッチ併用は後方ストレッチ単独より有効である

The Combination Stretching in Anterior and Posterior Muscles is More Efficacious Than Stretching in Posterior Muscles Alone for Cervico-Omo-Brachial Syndrome

目的：頚肩腕症候群(頚腕症)に対する胸鎖乳突筋のストレッチ(前方筋ストレッチ)の効果を探ること．

対象と方法：20例の頚腕症患者を上部僧帽筋のストレッチ(後方筋ストレッチ)のみを行う僧帽筋単独群と前方筋ストレッチも併用する胸鎖乳突筋併用群に無作為に分け，2週間後の治療成績を比較した．

結果：胸鎖乳突筋併用群は僧帽筋単独群に比しNeck Pain and Disability Scale(P＝0.049)と胸鎖乳突筋の筋硬度(P＜0.001)の改善が有意に優れていた．

まとめ：いわゆる“肩こり”の自己ストレッチは頚部後方筋にのみ行う人が多いが，前方筋ストレッチを併用したほうがより効果的である．