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特集 整形外傷治療 update 2021
神経損傷に対する神経再生誘導チューブの可能性
Application of artificial nerve tubes for peripheral nerve injury
山中 芳亮
1
,
田島 貴文
1
,
辻村 良賢
1
,
善家 雄吉
2
,
目貫 邦隆
3
,
酒井 昭典
1
Yoshiaki YAMANAKA
1
,
Yukichi ZENKE
2
,
Kunitaka MENUKI
3
1産業医科大学,整形外科
2同上,救急科
3北九州市立八幡病院,整形外科
キーワード:
Artificial nerve
,
Peripheral nerve injury
,
Sensory nerve
Keyword:
Artificial nerve
,
Peripheral nerve injury
,
Sensory nerve
pp.1259-1267
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001874
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要旨:末梢神経損傷に対する代表的な外科的治療としては,① 神経縫合,② 自家神経移植,③ 静脈移植,④ 人工神経が挙げられる。神経縫合が最も望ましいが,欠損を伴う症例では縫合が困難なことも多い。このような症例に対して自家神経移植や静脈移植が行われてきたが,特に自家神経移植では移植神経採取部の感覚脱失や神経腫の形成などドナー神経採取に付随する問題が伴う。一方,人工神経ではドナー神経採取が不要という大きなメリットがある。1999年に初の人工神経であるNeurotubeTMが米国FDAに承認されて以降,人工神経の臨床応用は急速に進んでいる。それと同時に様々な臨床成績が蓄積されつつあり,混合神経や運動神経に対しては自家神経移植に劣るものの,「30mm以下で小径の感覚神経」に対しては有用性が明らかとなっている。また,断端神経腫に対するキャッピングの有用性も報告されており,適応を選べば人工神経は末梢神経損傷に対する有用な治療の選択肢となりうる。
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