Japanese
English
経験
指尖部損傷に対する母指球皮弁での治療
Treatments of finger tip defects using thenar flaps
平澤 英幸
1
,
善家 雄吉
2
,
目貫 邦隆
2
,
田島 貴文
2
,
酒井 昭典
2
Hideyuki HIRASAWA
1
,
Yukichi ZENKE
2
1東京労災病院,整形外科・手外科センター
2産業医科大学医学部,整形外科学教室
キーワード:
Finger tip defect
,
Thenar flap
,
Finger tip reconstruction
Keyword:
Finger tip defect
,
Thenar flap
,
Finger tip reconstruction
pp.1241-1245
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001433
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要旨:当院では指尖部掌側軟部組織欠損に対して母指球皮弁を行っており,その手技,有用性を検討した。2011年9月から2015年8月までの期間に母指球皮弁を行った12例12指を対象とした。内訳は男性11例女性1例,手術時平均年齢は40.6歳(17~66歳),右7例,左5例,示指7指,中指4指,環指1指であった。受傷直後に行った症例が8例,待機的症例が4例であり,おもに石川のsubzone分類Ⅱに対して施行した。方法は,母指球部に皮弁をデザインし挙上,損傷指を屈曲し皮弁と縫合,2週後に切り離す手技を行った。術後平均経過観察期間は6.3カ月(2.2~12.3カ月)で,皮弁は全例生着し,皮弁採取部の愁訴も全例で認めなかった。1例で指尖の疼痛残存を認めたが,30°以上の屈曲拘縮残存は認めなかった。母指球皮膚は指尖部皮膚とのcolor・texture matchが良好であり,指全体に創ができず整容が保たれる。本法は簡便に指尖部を再建でき,初期治療から行うことで,機能的・整容的にも良い結果が得られた。
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