Japanese
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特集 超高齢社会における手外科疾患の治療
手根管症候群の病態と治療
Treatment of carpal tunnel syndrome
山中 芳亮
1
,
田島 貴文
1
,
辻村 良賢
1
,
善家 雄吉
1
,
酒井 昭典
1
Yoshiaki YAMANAKA
1
1産業医科大学,整形外科
キーワード:
Carpal tunnel syndrome
,
Triamcinolone
,
Estrogen
Keyword:
Carpal tunnel syndrome
,
Triamcinolone
,
Estrogen
pp.1411-1416
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003186
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要旨:手根管症候群の主な要因として手根管の内腔を狭める局所因子,神経側の脆弱性,全身性要因が挙げられる。また女性に多く,閉経後に好発するため性ステロイドホルモンの関連も示唆されている。われわれは,これらの要因の中で手根管内滑膜に着目して特発性手根管症候群の病態解明を試みてきた。手根管内注射として使用されるトリアムシノロンが手根管内滑膜に与える影響としては,トリアムシノロンは滑膜内のコラーゲンの発現抑制,つまり線維化を抑制することで効果を発揮している可能性が示唆された。また,エストラジオールはエストロゲンレセプター(ERα)の発現量と相関して滑膜内のコラーゲンの発現を抑制することがわかった。適切な治療法の確立には正確な病態把握が必須である。同じ手根管症候群でも,性別や年齢で異なる病態が混在している可能性があることを念頭に置いてさらなる病態解明を行い,それぞれの病態に対する治療法の確立が必要である。
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