Japanese
English
特集 脊椎関節炎の診断と治療update
体軸性脊椎関節炎の疫学
Epidemiology of axial spondyloarthritis
松原 優里
1
,
中村 好一
2
,
冨田 哲也
3
Yuri MATSUBARA
1
,
Yosikazu NAKAMURA
2
,
Tetsuya TOMITA
3
1獨協医科大学,公衆衛生学講座
2宇都宮市保健所
3森ノ宮医療大学大学院,保健医療学研究科
キーワード:
Spondyloarthritis
,
Ankylosing spondylitis
,
Non-radiographic axial spondyloarthritis
Keyword:
Spondyloarthritis
,
Ankylosing spondylitis
,
Non-radiographic axial spondyloarthritis
pp.1311-1316
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003155
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要旨:体軸性脊椎関節炎は,仙腸関節や脊椎などの体軸を中心に炎症を生じる。体軸性脊椎関節炎は,X線で特徴的な所見を有する「強直性脊椎炎(AS)」と,X線では異常を認めない「X線診断基準を満たさない脊椎関節炎(nr-axSpA)」とに大別されるが,これらの有病率には地域差がある。特に,ヨーロッパ諸国ではASの有病率は0.1~0.4%と高値であるが,日本での有病率は0.0026~0.0038%と低値である。一方,nr-axSpAの有病率に関する調査は少ないが,最近の日本での調査では,0.0006~0.0014%と推計されている。nr-axSpAとASとの比較では,ASは男性の割合が約70%と多く,nr-axSpAは男女同等の割合であるとの報告が多い。nr-axSpAの方が,HLA-B27保有者の割合が低く,推定発症年齢が高く,臨床症状は軽度で,臨床像にも違いがあることが知られている。
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