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特集 整形外科領域の希少疾患診療
慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)
Chronic recurrent multifocal osteomyelitis(CRMO)
前田 由可子
1
,
八角 高裕
1
Yukako MAEDA
1
1京都大学大学院医学研究科,発達小児科学
キーワード:
Chronic recurrent multifocal osteomyelitis
,
Non-bacterial osteomyelitis
,
Synovitis-acnes-pustulosis-hyperostosis-osteitis(SAPHO)syndrome
Keyword:
Chronic recurrent multifocal osteomyelitis
,
Non-bacterial osteomyelitis
,
Synovitis-acnes-pustulosis-hyperostosis-osteitis(SAPHO)syndrome
pp.1071-1077
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001837
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要旨:慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)は,全身の骨組織に多発性・再発性の無菌性骨髄炎を呈する原因不明の疾患である。その炎症病態は自然免疫系の異常反応と考えられており,広義の自己炎症性疾患に分類される。10歳前後の女児に好発するが,乳幼児から成人まで幅広い年齢層に発症し,痤瘡や掌蹠膿疱症などの皮膚疾患や,炎症性腸疾患,関節炎などを合併しうる。診断には悪性腫瘍や感染症の除外が重要であるが,特異的な検査所見を欠くため,確定診断までに時間を要する症例も少なくない。治療の第一選択は非ステロイド性抗炎症薬であり,半数以上の症例に有効であるが,無効例・再発例や,脊椎病変を有する症例にはビスホスホネート製剤やTNFα阻害薬が用いられる。圧迫骨折や成長障害を予防するため,早期診断と適切な治療介入が必要である。本稿執筆時点において全国疫学調査が施行されており,本邦における実態把握が期待される。
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