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特集 月状三角骨障害の診断と治療
月状三角骨障害の治療
-―尺骨短縮術,debridement,月状三角骨間仮固定―
Ulnar shortening procedure with debridement for the lunotriquetral joint disorder
中村 俊康
1
Toshiyasu NAKAMURA
1
1国際医療福祉大学,整形外科
キーワード:
Lunotriquetral joint disorder
,
Ulnocarpal abutment syndrome
,
Ulnar shortening
Keyword:
Lunotriquetral joint disorder
,
Ulnocarpal abutment syndrome
,
Ulnar shortening
pp.979-984
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001810
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要旨:月状三角骨(LT)障害の原因はMayfieldらの舟状月状骨(SL)靱帯損傷のミラーイメージであるLT靱帯損傷を端緒として生じる場合と,尺骨突き上げ症候群,すなわち尺骨の橈骨に対する相対長が一次性または二次性に長いために尺骨頭がLTに突き上げることで生じる場合が考えられる。前者は純粋な外傷性靱帯損傷であるが,慢性期に移行すると月状骨の掌屈変形(VISI変形)を生じ,手根不安定性となる。後者は三角線維軟骨の変性や月状骨,三角骨,尺骨頭の関節軟骨障害などに伴い,手関節尺側部痛を生じる。診断はX線,関節造影,MRIで行うが,手根骨自体の障害の把握にはMRIが有効である。最終的には手関節鏡で診断する。治療はLT間の仮固定に加えて,尺骨plus variance例ではplus varianceを矯正する目的として,また,neutral variance例で動的な尺骨突き上げ症候群の場合では,除圧・遠位橈尺関節不安定性の解消と同時にLT間の安定化が得られる尺骨短縮術を併施することが有効である。
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