Japanese
English
特集 月状三角骨障害の診断と治療
月状三角骨障害の治療
-―capsulodesis―
Treatment of lunotriquetral disorder;capsulodesis
長嶋 光幸
1
,
面川 庄平
2
,
長谷川 英雄
1
,
河村 健二
3
,
重松 浩司
4
Mitsuyuki NAGASHIMA
1
,
Shohei OMOKAWA
2
,
Kenji KAWAMURA
3
,
Koji SHIGEMATSU
4
1奈良県立医科大学,整形外科
2同上,手の外科学
3同上,玉井進記念四肢外傷センター
4しげまつ整形外科・手の外科クリニック
キーワード:
Lunotriquetral
,
Capsulodesis
,
Ligament
Keyword:
Lunotriquetral
,
Capsulodesis
,
Ligament
pp.985-993
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001811
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要旨:月状三角骨障害は,手関節尺側部痛の原因となる診断が困難な手根靱帯損傷を基盤とする障害である。月状三角骨靱帯損傷の治療は損傷の程度により異なる。背側橈骨手根靱帯を用いたcapsulodesisは受傷3カ月以降の慢性月状三角骨靱帯損傷で,月状三角骨間がGeissler分類grade Ⅲ・Ⅳの不適合性・動的不安定性を有する症例が最も良い適応となる。本術式は,背側橈骨手根靱帯を月状骨および三角骨背側に縫着することで月状三角骨間の背側靱帯,背側橈骨手根間靱帯を同時に補強し,月状三角骨間を安定化させることができる。その利点は背側進入で容易に術野に進入でき,手技が比較的簡便であることである。さらに鏡視下にsuture anchorを挿入することで,より低侵襲に行うことができることである。一方,その欠点は骨間靱帯としてより重要である掌側靱帯の処置ができないことである。本術式は月状三角骨障害に対して,比較的低侵襲で疼痛改善が期待できる術式である。
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