Japanese
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特集 整形外科医の職業被曝
整形外科診療における被曝の現状と低減対策
-―大腿骨・脛骨骨折:髄内釘による骨接合術―
Femoral and tibial fracture;osteosynthesis using the intramedullary nail
善家 雄吉
1
,
森 圭介
2
,
弓指 恵一
1
,
濱田 大志
1
,
岡﨑 龍史
3
,
宮本 俊之
2
Yukichi ZENKE
1
,
Keisuke MORI
2
,
Ryuji OKAZAKI
3
1産業医科大学病院救急科・四肢外傷センター
2長崎大学病院外傷センター
3産業医科大学,放射線衛生管理学
キーワード:
Radiation exposure protection
,
Orthopaedic trauma
,
X-ray fluoroscope
Keyword:
Radiation exposure protection
,
Orthopaedic trauma
,
X-ray fluoroscope
pp.793-799
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001754
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要旨:整形外科外傷手術において,髄内釘を用いた骨接合手術は一般的な手技である。近年の最小侵襲手術手技や髄内釘の適応拡大により,術中のX線透視照射時間の延長が危惧される。われわれ術者は手術に集中し,整復位にこだわるあまり術中のX線透視時間に対して無頓着になりがちである。長崎大学病院外傷センターは手術中の医療被曝低減を3つルール化し実践している。すなわち① X線透視のスイッチを術者が押さない。② X線透視を使用する際は執刀医が「shot」と発した際にのみ,助手がX線透視のスイッチを短時間照射(one shot)する。③ X線透視のモードは原則的に低解像度モードを使用する。当施設でもこれらを参考に手術中の医療被曝低減に努めている。そのほかの低減対策として,髄内釘横止めスクリュー固定に対する電磁波を用いたターゲットシステム(SURESHOT)や,医療被曝を可視化するシステム,あるいは手術アプローチ法としてのsuprapatellar approachについて文献的考察を踏まえて解説する。
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