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特集 STOP! 脊椎脊髄外科における放射線被曝
脊椎脊髄外科医の職業被曝の現状と低減対策—総論
Radiation Exposure and Reduction Technique in Spine Surgery
山下 一太
1
Kazuta YAMASHITA
1
1徳島大学大学院運動機能外科学(整形外科)
1Department of Orthopedics, Tokushima University School of Medicine
キーワード:
放射線被曝
,
radiation exposure
,
職業被曝
,
occupational exposure
,
脊椎外科
,
spine surgery
Keyword:
放射線被曝
,
radiation exposure
,
職業被曝
,
occupational exposure
,
脊椎外科
,
spine surgery
pp.557-564
発行日 2023年9月22日
Published Date 2023/9/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002202140
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はじめに
近年の医療の進歩に伴って,各分野で放射線使用下の低侵襲医療はますます発展してきている.整形外科,中でも脊椎脊髄外科の領域では,X線透視下の椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw:PPS)挿入,側方進入椎体間固定術(lateral lumbar interbody fusion:LLIF),経皮的椎体形成術(balloon kyphoplasty:BKP)などの低侵襲手術の出現と普及により,出血量減少や手術時間短縮という大きな恩恵を得ることできるようになった.一方で,手術や手技の低侵襲化により,X線透視の使用時間,使用頻度は格段に増加してきている.長期間にわたるX線透視使用による医療者の職業被曝の影響についての詳細な関係性はいまだ不明瞭な部分があるが7),近年,整形外科領域で手指の発癌や早期白内障を発症した医師の事例も散見されてきている.放射線科領域では,低線量を長期間にわたり浴びることによる発癌や遺伝への影響についての報告が数多く発表されており1,8,9,16),職業被曝の影響について心配している医療者は少なくない.
本稿では,整形外科医,特に脊椎脊髄外科医に関わるX線透視使用に伴う被曝量について,最低限知っておくべき知識とその対策について総論的に概説する.
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