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特集 整形外科医の災害対応のあり方―能登半島地震の経験より
能登半島地震を経験して―その現状と見えた問題点―
Experience of the Noto Peninsula Earthquake
廣村 健太郎
1
,
福 淳史
2
,
兼氏 歩
2
,
川原 範夫
2
Kentaro HIROMURA
1
,
Athushi FUKU
2
1金沢医科大学氷見市民病院,整形外科
2金沢医科大学,整形外科
キーワード:
2024 Noto Peninsula Earthquake
,
Orthopaedic trauma
,
Aeromedical evacuation
Keyword:
2024 Noto Peninsula Earthquake
,
Orthopaedic trauma
,
Aeromedical evacuation
pp.1519-1524
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003216
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要旨:令和6年能登半島地震は,マグニチュード7.6,最大震度7を観測し,341名の死者と1,678名の負傷者をもたらした。地震によりライフラインが途絶え,奥能登地区の4つの公立病院は多大な被害を受けた。医療機器の破損やスタッフ不足が深刻な問題となり,避難者や負傷者が次々と病院に殺到した。断水や停電が続くなか,医療資源が不足し,病院の診療機能が低下したが,DMATの到着後は状況が徐々に改善した。搬送は主に陸路や空路を使用したが,道路の損壊により陸路は金沢市内まで片道10時間を超える場合も多く,広域搬送や被災地外への患者受け入れに混乱が生じた。また,患者情報の不十分な共有や,搬送先の選定による問題も明らかとなった。災害時には事前の訓練や病院間の連携が重要であり,整形外科的対応の専門性をもったコーディネーターの構築も今後の課題とされる。
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