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特集 整形外科医の災害対応のあり方―能登半島地震の経験より
整形外科医としての災害支援のあり方―病院と避難所支援を中心に:熊本地震から能登半島地震を経験して―
Disaster relief as an orthopaedic surgeon with a focus on hospital and evacuation centre support;experiencing the Kumamoto Earthquake and the Noto Peninsula Earthquake
細川 浩
1
Hiroshi HOSOKAWA
1
1医療法人田中会 武蔵ヶ丘病院,リハビリテーション科
キーワード:
The 2016 Kumamoto Earthquake
,
The 2024 Noto Peninsula Earthquake
,
Orthopaedic trauma
Keyword:
The 2016 Kumamoto Earthquake
,
The 2024 Noto Peninsula Earthquake
,
Orthopaedic trauma
pp.1529-1534
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000003218
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要旨:熊本地震時には災害拠点病院を中心とした急性期整形外傷対応と重症の静脈血栓塞栓症(VTE)の診療,避難所でのVTEの予防啓発活動が求められた。この経験から,自然災害,特に地震時は急性期における整形外傷対応と避難所支援の需要の高まりが今後も予測される。そのなかで,われわれ整形外科医としては,災害医療の枠組みの中で自らの専門性を発揮するための平時からの備えが重要である。熊本地震の経験から,急性期整形外傷対応は「人」 「物」 「場所」 「患者」についての情報収集と分析の実行,被災地内外の「人」 「物」 「場所」 「患者」の再分配の実行,それと並行しながらの医療を実行することであるといえる。VTEに関しては,重症患者の医療機関での医療の実行とともに,同疾患の認知と予防啓発活動を避難所中心に実践することが重要である。この熊本地震の経験は能登半島地震で生かされたのかを,筆者の経験をもとに紹介した。災害時の整形外科医の対応を知ることが,平時の備えの一助となればと願っている。
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