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特集 整形外科医の職業被曝
医療従事者が押さえておくべき放射線の身体影響と日本の職業被曝の現状
Basic knowledge of radiation health effects for health care professionals;current status of occupational exposure in Japan
二ツ矢 浩一郎
1
Koichiro FUTATSUYA
1
1独立行政法人労働者健康安全機構九州労災病院門司メディカルセンター,放射線科
キーワード:
Equivalent dose
,
Effective dose
,
Dose limit
Keyword:
Equivalent dose
,
Effective dose
,
Dose limit
pp.727-733
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001745
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要旨:近年,患者の医療被曝に加えて,医療従事者の職業被曝も注目されるようになった。医療現場の職業被曝では,急性被曝はまれであり,低線量の慢性被曝により数十年して発がんや白内障が生じるリスクがある。そして低線量の慢性被曝の身体影響についてはわかっていない部分がある。そのため,医療従事者は放射線防護の3原則(正当化・最適化・線量限度)に従って放射線診療に従事する必要がある。職業被曝の理解のためには,少なくとも確定的影響・確率的影響,吸収線量・等価線量・実効線量を押さえる必要がある。また,本邦で線量限度に関して2020年に一部改正があり,水晶体の等価線量限度が従来の「150mSv/年」から,「定められた5年間の平均で20mSv/年,かついずれの1年においても50mSvを超えない」に引き下げとなった。2021年施行前にガイドラインも策定され,管理者や医療従事者への周知と対策強化が推進されている。
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