増大号特集 あなたの整形外科診療が変わる 差がつく画像診断技術—単純X線からAIまで
column
整形外科領域の職業被曝の特徴
二ツ矢 浩一郎
1
1産業医科大学放射線科
pp.488
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600050488
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X線透視下の検査や手術では,照射野に近寄らざるを得ないため,プロテクターで防護されていない上肢,特に手指の放射線被曝量がかなり高いと考えられます.一方で,個人線量計の装着率に関する報告では,医療従事者のなかで医師の装着率が低いことが指摘されており,被曝状況を正確に把握できていない可能性があります.
防護を考えるうえでは,まず適切な線量測定を行う必要があります.一般的な線量計の装着部位は,頚部(防護具外側)に1つと,男性の場合は胸部(防護具内側),女性の場合は腹部(防護具内側)に1つ装着するのが基本です.特に手指の被曝が高いと考えられる場合には手指用線量計を,水晶体へのリスクが高いと考えられる場合には水晶体用線量計を使用する必要があります.
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