特集 整形外科医の職業被曝
扉
山下 一太
pp.726-726
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001744
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整形外科領域では脊椎手術や神経ブロック,骨折や脱臼の整復操作や骨接合術などにおいてX線透視は不可欠なツールであり,大きな恩恵を受けていることは言うまでもない。一方で放射線を用いた医療には被曝を伴うことを忘れてはならない。医療分野での放射線被曝は患者側と医療従事者側の被曝に大別され,患者側の被曝ではCTによる医療被曝が多く,医療従事者側ではX線透視による職業被曝が主である。低侵襲治療の発展に伴い,医療者側の職業被曝の増加による発癌や早期白内障の報告が散見されるようになり,近年では労災事例も報告されている。それを受けて法改正がなされ,2021年4月から日本国内でも水晶体の被曝線量限度が大幅に引き下げとなった。
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