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特集 整形外科医の職業被曝
放射線被曝と身体影響
-―甲状腺の放射線障害:甲状腺癌・甲状腺機能異常―
Radiation injuries to thyroid cancer
鈴木 眞一
1
Shinichi SUZUKI
1
1福島県立医科大学医学部,甲状腺内分泌学講座
キーワード:
Thyroid cancer
,
Radiation exposure
,
DNA repair
Keyword:
Thyroid cancer
,
Radiation exposure
,
DNA repair
pp.751-757
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001748
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要旨:放射線被曝には,急性放射線障害と,晩発性障害があり,いずれも甲状腺に障害を発生させる。急性障害では高線量被曝(5Sv(Gy)以上)で甲状腺機能低下をきたす。晩発性障害としては甲状腺癌や甲状腺良性結節や甲状腺機能低下が認められる。外部被曝と内部被曝があり,いずれも100mSv以上で甲状腺癌のリスクが上昇する。福島での原発事故後の小児若年者の甲状腺に関して大規模な検診が実施されている。放射線の影響が心配されているが,現時点では考えにくい。医療被曝,職業被曝としては,整形外科医をはじめとして術中X線透視による被曝が挙げられる。甲状腺も被曝対象臓器であるが,胸腹部,手,目の防護とともに鉛入りの甲状腺シールドの使用にて大幅に被曝線量軽減が可能である。年間許容量を理解し,使用する機器や放射線被曝,防護の知識を十分に理解することが重要である。
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