Japanese
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特集 超音波による骨折治療
人口ピラミッド変動時代における低出力超音波パルス療法
Low-intensity pulsed ultrasound treatments in the era of a changing population pyramid
神宮司 誠也
1
Seiya JINGUSHI
1
1独立行政法人労働者健康安全機構九州労災病院,整形外科
キーワード:
Low-intensity pulsed ultrasound(LIPUS)
,
Positive conservative treatments for fracture repair(PCTFR)
,
Aging
Keyword:
Low-intensity pulsed ultrasound(LIPUS)
,
Positive conservative treatments for fracture repair(PCTFR)
,
Aging
pp.79-82
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001595
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要旨:適切な骨折治療を行うには治癒過程の理解が重要である。治癒反応は,よく制御された様々な細胞反応からなる。仮骨形成では骨芽細胞や軟骨細胞の細胞増殖や細胞分化が起き,局所性制御因子による制御を受けている。近年,治癒過程を非侵襲的に刺激する治療法が使われており,骨折に対する積極的保存療法と呼んでいる。現在主に使われている,低出力超音波パルス(LIPUS)のような細胞分化を刺激するタイプと,治癒反応の局所制御因子である成長因子などの細胞増殖を主に刺激するタイプが今後期待される。これらの組み合わせで,より効果的な治療となりうる。人口ピラミッド変動に伴い骨折治療状況も大きく変化している。増加している高齢者脆弱性骨折患者にも,減少している生産年齢人口世代の骨折患者にも,より良い社会復帰が求められている。このような治療状況変化に対応するには,骨折治癒過程を促進する治療方法の発展がより必要になっていくと思われる。
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