発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008330951
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1998年6月~2005年11月の間に20施設において難治性骨折に対し低出力超音波パルス(LIPUS)を使用した280症例中の疲労骨折16例18骨折症例(男13例、14骨折、女3例、4骨折、年齢13~34歳)について治療成績を検討した。LIPUSの疲労骨折に対する効果や適応を検討するため、その開始時期を受傷後90日未満の8骨折例(A群)と90日以降の10骨折例(B群)に分け、比較した。A群とB群には受傷部位の分布に偏りを認め、腓骨3例、中足骨2例はA群で、脛骨跳躍型4例および脛骨疾走型2例はB群に含まれた。脛骨内果4例は2例ずつA群B群に分かれていた。骨癒合率はA群が100%、B群が50%でA群が有意に高く、骨癒合に要した期間もA群が有意に早かった。また発症から初診までの期間はB群がやや遅いが有意差は認めなかった。スポーツ復帰についてA群は全例で元の競技レベルまで回復し、トレーニング再開まで平均78.1日であったが、B群では平均108.5日で、2例はトレーニングの再開はできたが競技レベルは低下した。脛骨跳躍型疲労骨折(3例4骨折)の成績はLIPUS開始後約1ヵ月で疼痛は軽減したが、競技レベルを元に戻すと再発傾向を認めた。以上より、LIPUSは疲労骨折に対する早期の使用で高い有効性を示したが、競技復帰の時期やLIPUS治療中止時期などの課題が残った。
©Nankodo Co., Ltd., 2008