Japanese
English
特集 肉ばなれの病態と治療
レスリングにおける肉ばなれ
Muscle strains in wrestlers
中嶋 耕平
1
Kohei NAKAJIMA
1
1国立スポーツ科学センター,スポーツメディカルセンター
キーワード:
Wrestling
,
Strain
,
Avulsion
Keyword:
Wrestling
,
Strain
,
Avulsion
pp.425-434
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001245
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要旨:レスリング競技にはフリースタイルとグレコローマンスタイルの2種目があり,前者は四肢を技の攻防に用いることができるが,後者は下肢を攻めたり,攻防に用いたりすることが禁じられている。女子はフリースタイルのみ(WF),男子は両スタイル(MF,GR)が正式な競技種目となっている。本競技の外傷では性差に加え,攻防様式の違いがその特徴といえる。2014〜2019年の5年間に国立スポーツ科学センター(JISS)スポーツクリニックを受診したわが国のトップレベルのレスリング競技者の診療記録(3,007件,実人数354名:WF 99名,GR 94名,MF 161名)より,レスリング競技者の肉ばなれ(87件:WF 16件,GR 38件,MF 33件)について調査した。肉ばなれは,男子に多く,なかでもGRに多く発生していた。部位別頻度では他の競技同様,各スタイルでも大腿(ハムストリング)での発生が多いが,競技特性として上肢や体幹に近い筋での発生が多くみられた。また,肉ばなれの損傷部位別type分類では,typeⅠ(Ⅰ型)23件,typeⅡ(Ⅱ型)26件,typeⅢ(Ⅲ型)37件と筋付着部での損傷が多いことも特徴といえる。
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