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特集 整形外科画像診断・評価の進歩
Ⅳ.エコー
8.肉ばなれ
-――運動器エコー評価を中心に
Muscle strain:focusing on musculoskeletal sonographic evaluation
和田 誠
1
M. Wada
1
1わだ整形外科クリニック
1Wada Orthopaedic Clinic, Hirakata
キーワード:
muscle strain
,
sonography
,
ultrasound evaluation
Keyword:
muscle strain
,
sonography
,
ultrasound evaluation
pp.660-666
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_660
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は じ め に
肉ばなれは,経験的に治療されることが多く,再発を繰り返す疾患である.筋損傷の部位によっては,組織の修復や伸長ストレスに対する強度が十分になっていない早期から疼痛が消失することがあり損傷の再発の原因となる.
スポーツ障害のなかでも肉ばなれは頻度がもっとも多く,再発を繰り返し,競技レベルが低下してしまうこともある.そのため,復帰時期の決定は,慎重に行わなければならない1~3).
1.復帰時期の判断
復帰時期の判断は,第一に身体所見であり,画像診断により組織の修復が十分すすんでいるか確認し行う.また,受傷時の動作や肢位などから筋組織に力学的にどのようなストレスが加わったかを推察し,画像診断からわかる損傷部位の構造破綻の状況から再発を避ける復帰に向けたトレーニングメニューを考える.
2.身体所見と画像所見
肉ばなれの評価としては,身体所見,症状,画像診断がある.復帰に向けては,自覚症状が消失していること,徒手検査により治癒が予測できることが前提である.そのうえで,治癒過程やリモデリングの過程を判断する際に,客観性のある画像所見は不可欠である.
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