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特集 脊椎脊髄外科の最近の進歩
Ⅱ.各種疾患に対する治療法・モダリティ
骨粗鬆症を有する患者への治療
骨粗鬆症性胸腰椎椎体骨折における除圧を行わない後方固定術
Posterior fusion without neural decompression for vertebral collapse in the osteoporotic thoracolumbar spine
安宅 洋美
1
,
宮下 智大
2
,
高岡 宏光
1
,
加藤 啓
2
,
丹野 隆明
1
Hiromi ATAKA
1
,
Tomohiro MIYASHITA
2
1松戸整形外科病院,脊椎センター
2松戸市立総合医療センター,脊椎脊髄センター
キーワード:
Osteoporosis
,
Vertebral collapse
,
Posterior fusion without neural decompression
Keyword:
Osteoporosis
,
Vertebral collapse
,
Posterior fusion without neural decompression
pp.599-605
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000876
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要旨:骨粗鬆症性胸腰椎椎体骨折の中に,偽関節に移行し,神経障害を伴う例がある。このような不安定性に起因する遅発性脊髄障害を有する25例に対し,除圧および術中後弯矯正操作を行わない後方固定術を施行した。インプラント関連の合併症や術後早期再手術例は1例もなかった。骨癒合率は96%で,神経学的回復も極めて良好で全例が歩行可能となったが,経過中5例が内科的要因で死亡し,9例が他部位の脆弱性骨折など手術と関連のない要因により再度歩行不可能となった。本疾患に対しては,患者の虚弱性を考慮し,手術合併症を起こさず,再手術を避け1回の手術で,骨癒合による確実な脊柱安定化を獲得することが治療上重要であり,本術式は推奨される手術法であると考えられた。
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