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特集 脊椎脊髄外科の最近の進歩
Ⅱ.各種疾患に対する治療法・モダリティ
成人脊柱変形に対する治療
成人脊柱変形における腰仙椎部固定術
Spinopelvic fixation in adult spinal deformity
中島 宏彰
1
,
金村 徳相
1
,
佐竹 宏太郎
1
,
石川 喜資
1
,
大内田 隼
1
,
今釜 史郎
2
Hiroaki NAKAJIMA
1
,
Shiro IMAGAMA
2
1江南厚生病院,整形外科・脊椎脊髄センター
2名古屋大学医学部,整形外科
キーワード:
Spinopelvic fixation
,
Adult spinal deformity
,
S2-Alar iliac screw
Keyword:
Spinopelvic fixation
,
Adult spinal deformity
,
S2-Alar iliac screw
pp.613-621
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000878
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要旨:腰仙椎部固定術では偽関節やインストゥルメント折損などの割合が高い。特に成人脊柱変形に対して高度な変形矯正を行う症例での合併症の割合は高く,未だに課題が多い領域である。Jackson法を発展させたdistal sacral screw,iliac screwに加え,S2-alar-iliac screw(SAI screw)が登場したことで,腰仙椎部固定術は飛躍的な発展を遂げてきた。近年報告されたSAI screwはiliac screwのように腸骨翼まで軟部組織を剝離する必要がなく,インプラントが突出する危険性も少ない。仙腸関節をscrewが貫くため,仙腸関節の骨皮質をとらえることができ,iliac screwに比べ強固な固定力も期待できる。一方で,仙腸関節前方には動静脈が存在しているため,誤って前方に穿破すると重大な合併症を招く。また,適切な位置にscrew設置が行われないと,SAI screwの強みの一つである強固な内固定が得られにくいため,screw挿入の際の技術的な注意点が多く存在する。術前画像評価とともに,術中の解剖学的指標の熟知,正確な透視操作を行い,注意深く手術を完遂させたい。
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