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特集 脊椎脊髄外科の最近の進歩
Ⅱ.各種疾患に対する治療法・モダリティ
頚椎・胸椎疾患に対する治療
頚椎OPLL手術治療におけるK-lineの意義
Significance of the K-line method for determining optimal surgical strategy for patients with cervical myelopathy due to OPLL
木村 敦
1
Atsushi KIMURA
1
1自治医科大学,整形外科学教室
キーワード:
K-line
,
Cervical myelopathy
,
OPLL
Keyword:
K-line
,
Cervical myelopathy
,
OPLL
pp.497-504
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000861
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要旨:OPLLは頚椎に好発し,圧迫性頚髄症の原因疾患として重要である。OPLLによる頚髄症に対して,本邦では椎弓形成術をはじめとする後方除圧術が用いられることが多い。椎弓形成術は多椎間のOPLLに対して比較的安全に実施できる利点があるが,骨化巣を直接切除しない間接除圧を作用機序としているため,後弯変形がある症例や,骨化巣の占拠率が大きい症例では,除圧不足となる可能性がある。こうした後方除圧術の限界を,術前のX線像上の簡便な計測で判定する方法として,K-lineの概念が提唱された。骨化巣がK-lineが触れるか,さらに後方に達するK-line(−)症例は,後方手術を行っても除圧不足によって成績不良となるリスクがある。後方除圧術以外の術式では,後方除圧固定術と前方除圧固定術が候補となるが,当科では発育性狭窄の有無と除圧椎間数が3椎間以上かどうかによって両者を使い分けている。
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