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特集 脊椎脊髄疾患に対する分類・評価法
第1章 頸椎
頸椎後縦靭帯骨化占拠率とK-line
The Relationship between the Occupying Ratio of Ossification and the K-line for Cervical Osssification of the Posterior Longitudinal Ligament
藤由 崇之
1
Takayuki FUJIYOSHI
1
1国保直営総合病院君津中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kimitsu Chuo Hospital
キーワード:
頸椎後縦靭帯骨化症
,
cervical OPLL
,
K-line
,
骨化占拠率
,
occupying ratio of OPLL
Keyword:
頸椎後縦靭帯骨化症
,
cervical OPLL
,
K-line
,
骨化占拠率
,
occupying ratio of OPLL
pp.290-294
発行日 2020年4月25日
Published Date 2020/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201351
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はじめに
頸椎後縦靭帯骨化(ossification of the posterior longitudinal ligament:OPLL)はアジア人に多く,日本では特定難病指定とされており,遺伝的要因が解析されつつあるが,まだまだ謎の多い疾患である.われわれは,進行する脊髄症状を有した頸椎OPLL患者に対し手術加療を行っている.頸椎OPLLは骨化占拠率が問題となることが多い.骨化占拠率と術式による術後成績について,Iwasakiら6)は骨化占拠率60%未満の頸椎OPLLの手術加療は後方法による脊髄除圧で対処できたと報告し,また,Taniら11)は占拠率50%以上で前方法の優位性があったと報告している.
15年以上前のことではあるが,頸椎OPLLに対し,後方除圧術(椎弓形成術)を施行したが,症状があまり改善しない症例を経験した.後日の画像評価にて,前方からの脊髄圧迫が残存し脊髄除圧が完全になされていないことが判明し,前方除圧術を追加したところ症状は改善した.当時,後方除圧術の適応に対する適切な指標はなく,筆者らは後方除圧の限界を知ることとなり,やってはいけない後方法症例について考えるようになった.つまり,骨化占拠率だけでなく頸椎アライメントも重要と考えなければならないと考えた.
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