Japanese
English
特集 胸郭出口症候群
野球選手に対する胸郭出口症候群の診断と治療
Diagnosis and treatment of thoracic outlet syndrome for baseball players
古島 弘三
1
Kozo FURUSHIMA
1
1慶友整形外科病院,スポーツ医学センター
キーワード:
Thoracic outlet syndrome
,
Baseball player
,
Transaxillary first rib resection and scalenotomy
Keyword:
Thoracic outlet syndrome
,
Baseball player
,
Transaxillary first rib resection and scalenotomy
pp.147-154
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000770
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要旨:一般的に胸郭出口症候群(TOS)は中高年者または女性に多い疾患であるという認識がある。しかし近年,スポーツ選手,特に野球選手に対するTOSの存在が認知されてきている。TOSの臨床症状は頚部および肩甲帯,上腕から手指にかけての痛みやしびれである。しかし,野球選手は肩や肘関節の痛みを主訴に来院するため,TOSを疑わなければ診断が難しい。われわれは,野球選手が上肢症状で来院した際は,まずTOSを念頭に置きながら診察を進め,疑わしければ理学所見や非侵襲的な超音波検査を施行している。TOS治療の第一選択は保存療法であるが,抵抗する場合には手術療法を選択する。これまでわれわれは内視鏡を併用した第1肋骨切除術および斜角筋切離術を行っており,良好な術後成績を得ている。内視鏡を併用する利点として,手術による合併症の軽減,術者および助手における術中のストレスが軽減されることである。また,内視鏡で術野を観察することで,これまで観察しえなかったTOS症状に起因すると思われる病態の発見があり,経腋窩アプローチによるTOS手術には内視鏡を併用すると大変有用である。
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