Japanese
English
特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅷ.胸郭出口症候群
胸郭出口症候群
-―鏡視下を含めた手術療法の適応,実際―
Thoracic outlet syndrome;indications and practice of surgical therapy
高橋 啓
1
,
古島 弘三
1
Toru TAKAHASHI
1
1慶友整形外科病院,慶友胸郭出口症候群センター
キーワード:
Endoscopic assisted transaxillary approach
,
First rib resection
,
Scalenectomy
Keyword:
Endoscopic assisted transaxillary approach
,
First rib resection
,
Scalenectomy
pp.679-690
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002140
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:当院での胸郭出口症候群(TOS)に対する手術は,経腋窩アプローチによる内視鏡アシスト下での第1肋骨切除および斜角筋切離術を施行している。内視鏡を併用する利点は,直視下法では確保しにくい手術野がモニターへ映し出されるため神経血管束を視認しながら確実に第1肋骨および斜角筋切離が行える点である。さらに合併症に関して,直視下法では気胸・胸膜損傷の合併症は約15%に発生するが,本法では3%と気胸・胸膜損傷の合併症発生率を下げることができ,安全な手術方法と考える。われわれはこれまで肩関節周囲の疼痛やしびれを主訴に来院された患者がTOSの術後に劇的に改善する症例を経験している。頚椎疾患類似の主訴にて来院することもあるが,まずはTOSも鑑別に入れて診察することが重要と考える。当院は他院で診断に難渋する症例も多く来院されるが,最後の砦と考え手術を施行している。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.