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特集 末梢神経―Current Concept in 2022
Ⅷ.胸郭出口症候群
胸郭出口症候群の診断
Diagnosis for thoracic outlet syndrome
北村 歳男
1
Toshio KITAMURA
1
1熊本整形外科病院,整形外科
キーワード:
Thoracic outlet syndrome
,
Brachial plexus
,
Diagnosis
Keyword:
Thoracic outlet syndrome
,
Brachial plexus
,
Diagnosis
pp.671-678
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002139
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要旨:胸郭出口症候群(TOS)は単一疾患ではない。頚肋症候群や斜角筋症候群などを念頭に複数の徒手検査が存在する。また肩甲帯の複雑な動きや過剰な動きで症状が惹起される。症状も多彩で診断が複雑である。血管への圧迫や神経過敏性の状態を把握するなど目的をもった診察が必要である。画像や生理学的検査の補助診断において確定診断に直結する症例は少ない。近年,電気生理学的に確定診断されるもののみを「真の胸郭出口症候群」とする意見がある。しかし一般外来の症例の多くは電気生理学的な異常を示さず,可逆的なレベルの障害であり,神経麻痺は呈さないレベルの障害でかつ多愁訴である。大多数の症例は診断の確定の困難さから「議論のある神経性胸郭出口症候群」とする意見もあるが,一定の肢位の誘発刺激により痛みやしびれが誘発される可逆性の共通した特徴が見られる。総合的に検査結果の判断が必要で,丁寧な診察と神経への刺激症状を慎重に捉えることが必要である。
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