特集 Complex elbow instabilityの治療の現状
Complex elbow instabilityの診断・治療に必要な機能解剖(外側)
二村 昭元
1
,
志村 治彦
2
,
秋田 恵一
2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科,運動器機能形態学講座
2同上,臨床解剖学分野
キーワード:
Annular ligament
,
Supinator
,
Joint capsule
Keyword:
Annular ligament
,
Supinator
,
Joint capsule
pp.1061-1065
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000107
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Complex elbow instability の診断・治療に必要な肘関節外側の解剖に関わる知見を概説した。尺骨鉤状突起に付着する関節包は,従来,付着幅という観点で論じられることはなかったが,外側では幅広く,内側では上腕筋の停止部を相補するように幅狭く付着している。肘関節における外側側副靱帯複合体(LCLC)は橈側側副靱帯(RCL),輪状靱帯(AL),そして外側尺側側副靱帯(LUCL)など種々の構成要素に基づいて理解されているが,各構造間の関係は理解しにくい。元来,関節に存在する関節包や腱膜構造に基づき俯瞰すると,浅層伸筋群の深層にある回外筋腱膜と関節包は連続する膜性構造として複合体を形成し,それが尺骨鉤状突起の外側,上腕骨外側上顆の遠位,そして橈骨切痕の背側に幅広く付着することにより肘関節外側の安定化に寄与している,と単純化して理解できる。
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