Japanese
English
特集 間葉系幹細胞治療の現状と課題
滑膜由来間葉系幹細胞を用いた軟骨再生医療
Cartilage repair using a scaffold-free tissue-engineered construct derived from synovial mesenchymal stem cells
下村 和範
1
,
安藤 渉
1
,
藤江 裕道
2
,
吉川 秀樹
1
,
中村 憲正
3
Kazunori SHIMOMURA
1
,
Hiromichi FUJIE
2
,
Norimasa NAKAMURA
3
1大阪大学大学院医学系研究科,器官制御外科学(整形外科)
2首都大学東京,システムデザイン学部
3大阪保健医療大学,彩都スポーツ医科学研究所
キーワード:
Cartilage repair
,
Mesenchymal stem cell
,
Scaffold free
Keyword:
Cartilage repair
,
Mesenchymal stem cell
,
Scaffold free
pp.1355-1360
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000638
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:われわれは滑膜由来間葉系幹細胞からスキャフォールドを使用せず三次元人工組織(TEC)を作成する手法を開発し,軟骨再生における有用性を検討してきた。TECは従来の細胞培地に対し,アスコルビン酸を添加するのみで作成できるため,非常に簡便で,低コストでの作成が可能である。さらに,TECは軟骨欠損部に応じて形状を変えることができ,接着因子を豊富に含有することから,容易に軟骨欠損部に接着し,追加の縫合などを要しないため,手術手技の簡便化,手術時間の短縮も期待できる。われわれは,大動物を用いた前臨床試験にて,TECの軟骨再生における有効性を示しており,さらに軟骨損傷を有する5例の患者を対象とした臨床研究においても,安全性および有効性を示した。今後,本法は新たな軟骨治療法となりうることが期待されている。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.