Japanese
English
特集 変形性関節症の病態に迫る―疾患修飾による治療を展望して―
変形性膝関節症に対するバイオセラピー
Biotherapy for osteoarthritis of the knee
大鶴 任彦
1,2
,
中西 潤
3
,
尾辻 正樹
4
,
岡崎 賢
2
,
中村 憲正
5
Tadahiko OHTSURU
1,2
,
Jun NAKANISHI
3
,
Masaki OTSUJI
4
,
Norimasa NAKAMURA
5
1大宮ひざ関節症クリニック
2東京女子医科大学,整形外科学
3東京ひざ関節症クリニック銀座院
4横浜ひざ関節症クリニック
5大阪保健医療大学,保健医療学部
キーワード:
Osteoarthritis of the knee
,
Biotherapy
,
Mesenchymal stem cell
Keyword:
Osteoarthritis of the knee
,
Biotherapy
,
Mesenchymal stem cell
pp.1481-1485
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000002776
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要旨:変形性膝関節症の治療は,初期は保存療法,進行期以降は手術療法が選択される。しかし保存療法の効果がなく手術希望がない場合,近年,細胞や血液由来製剤といった生物製剤を関節内に注射するバイオセラピーが注目されている。細胞種は間葉系幹細胞が多く使用され,世界の多くの研究が,細胞から放出される細胞外小胞のエクソソームによる,損傷軟骨の修復メカニズムに焦点を当てている。血液由来製剤は多血小板血漿が代表的であり,血小板内の成長因子やサイトカインの,組織修復や抗炎症作用を期待した治療である。さらに細胞と血液由来製剤の併用投与による,相加,相乗効果の可能性も示唆されている。今後は大規模な無作為対照介入試験の導入や,質の高い研究結果が待たれる。またpatient registryへ症例登録を行い,real world evidenceを蓄積し解析する方策も行われている。近い将来,変形性膝関節症に対するバイオセラピーの治療プロトコルの最適化が実現することが期待されている。
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