Japanese
English
特集 間葉系幹細胞治療の現状と課題
骨髄間葉系幹細胞の静脈内投与による脊髄損傷治療
Intravenous administration of autologous mesenchymal stem cells for spinal cord injury
押切 勉
1
,
佐々木 祐典
2
,
森田 智慶
1
,
廣田 亮介
1
,
本望 修
2
,
山下 敏彦
1
Tsutomu OSHIGIRI
1
,
Masanori SASAKI
2
1札幌医科大学医学部,整形外科学講座
2札幌医科大学医学部附属フロンティア医学研究所,神経再生医療学部門
キーワード:
Spinal cord injury
,
Mesenchymal stem cell
,
Transplantation
Keyword:
Spinal cord injury
,
Mesenchymal stem cell
,
Transplantation
pp.1367-1371
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000641
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要旨:脊髄損傷に対する細胞移植治療が近年注目されてきており,有用性が高いといわれる骨髄間葉系幹細胞(MSC)を用いて,脊髄損傷に対する多くの基礎研究結果を報告してきた。さらにわれわれは臨床治験にて,2013~2017年に重度脊髄損傷患者に対するMSCの静脈内投与の医師主導治験を行ってきた。その治験の概略は,20~70歳の頚髄損傷患者で,重症度はASIA機能障害尺度(American Spinal Injury Association Impairment Scale;AIS)のA,B,Cとし,発症から14日以内に本治験にエントリーできた症例が対象である。患者自身の骨髄液からMSCを分離・培養を行った後に,細胞製剤(治験薬)として静脈内に移植するという治療方法である。本治験薬の臨床応用により脊髄損傷患者の機能回復が得られるのであれば,日常生活動作およびQOLが向上し,患者・家族などの肉体的・精神的・経済的負担は軽減されるものと期待される。本治験にて治療効果が期待できることから,再生医療等製品としての実用化に向けて準備を進めている。
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