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特集 間葉系幹細胞治療の現状と課題
間葉系幹細胞を用いた再生医療の現状と課題
Current mesenchymal stem cells-based tissue engineering
千々松 良太
1
,
中村 憲正
2
Ryota CHIJIMATSU
1
,
Norimasa NAKAMURA
2
1日本学術振興会特別研究員PD(東京大学大学院医学系研究科,感覚・運動機能医学講座 整形外科学)
2大阪保健医療大学保健医療学部,大阪大学国際医工情報センター
キーワード:
Mesenchymal stem cells
,
Tissue engineering
,
Cell bank
Keyword:
Mesenchymal stem cells
,
Tissue engineering
,
Cell bank
pp.1329-1336
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000635
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要旨:難治性の運動器疾患に対し,間葉系幹細胞(MSC)を用いた再生医療研究が近年広がりをみせている。MSCは生体内の各組織に存在する幹細胞で,骨や軟骨などの間葉系組織の細胞へ分化する能力を有する。生体外で培養したMSCを損傷部に移植する治療は既に多数臨床研究に達している。それと並行して他家移植治療用のMSCバンク化も進行しており,将来的な治療システムも構築されつつある。その一方で近年の研究から,移植後のMSCは必ずしも生体内で分化して損傷組織を再生するわけではないことが示唆されている。さらに近年の培養法の改良で,得られるMSCの性質が改変されるようになったが,これらが実際の移植治療に与える効果は検証されていない。上記のことを踏まえると,MSC治療は未だ発展途上といっても過言ではない。しかしながら,ヒトにおけるMSC治療の効果は動物試験では測れない制限があり,真の有効性はこれからの臨床研究で明らかになる。
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