骨・軟骨の再生
滑膜間葉系幹細胞由来スキャフォールドフリー三次元人工組織・人工骨複合体による骨軟骨再生
下村 和範
1
,
藤江 裕道
,
吉川 秀樹
,
中村 憲正
1大阪大学 大学院医学系研究科健康スポーツ科学講座スポーツ医学
キーワード:
Hydroxyapatite
,
組織移植
,
滑膜
,
関節軟骨
,
骨再生
,
組織培養技術
,
骨代用物
,
間葉系間質細胞
,
軟骨下骨
,
軟骨再生
Keyword:
Cartilage, Articular
,
Bone Regeneration
,
Synovial Membrane
,
Tissue Transplantation
,
Durapatite
,
Bone Substitutes
,
Tissue Culture Techniques
,
Mesenchymal Stromal Cells
pp.339-344
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2016036085
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骨軟骨病変に対する生物学的再建のためには,軟骨および軟骨下骨の層別の再生が望ましい.われわれは滑膜間葉系幹細胞由来スキャフォールドフリー三次元人工組織(TEC)および連通多孔体ハイドロキシアパタイト人工骨より,TEC・人工骨複合体を開発し,骨軟骨再生への有用性を検討した.家兎の右大腿骨顆間部に骨軟骨欠損を作製し,TEC・人工骨複合体を移植した(T群).コントロール群は人工骨のみ移植した(C群).術後,組織学的評価および生体力学的評価を行った.術後6ヵ月で,C群では一定の骨軟骨形成が認められたが,周囲組織との間に亀裂を認め,修復組織の劣化がみられた.一方,T群では,再生骨軟骨は良好に維持され,組織スコアーは有意に高く,また正常軟骨と同等の力学特性が得られた.TEC・人工骨複合体は術後長期においても優れた骨軟骨再生能を呈し,またその安全性も併せ,臨床応用が期待される.
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