Combined triple methodを用いた先天性橈尺骨癒合症の治療経験

Congenital radioulnar synostosis treated using anatomical radial shaft osteotomy with a custom--made template, ulnar rotational osteotomy, pedicled regional flaps

要旨：Clearyらの分類による3型の先天性橈尺骨癒合症に対して，combined triple method（三次元骨モデルを使用したcustom-made templateで解剖学的橈骨骨幹部骨切り術，尺骨回旋骨切り術を行い，分離部に局所有茎脂肪弁を移植した）を用いて治療した。後方脱臼型においては橈骨近位骨切りでは生理的な橈骨の回旋運動が得られないため，橈骨骨幹部骨切り術を行った。三次元的な骨変形評価を行ったcustom-made templateを使用することで，簡便に短時間で術前計画どおりに橈骨骨幹部骨切り術を行うことができた。患者の主訴は回外運動ができないことであるため，十分に回外運動を獲得することが必要である。橈骨骨幹部骨切り術のみでは回外可動域が十分に獲得できないため，積極的に尺骨回旋骨切り術を加えた。分離部の癒合防止のため，局所有茎筋膜脂肪弁移植術を用いることで，短時間で分離部は十分に被覆することができた。